同音異義語、いい加減にしてほしい。秋葉原心療内科コラム

秋葉原心療内科秘密コラム「同音異義語、いい加減にしてほしい」

こんにちは。ゆうきゆうです。

◆ 同音異義語、いい加減にしてほしい。

さて自分は仕事柄、文字をものすごく打ち込むわけですが。

ただ日本語では、「同音異義語」というものが存在します。
文字通り、「ひらがなにすると同じだけど、意味は違う」という言葉です。

代表的なものが「おこる」。
「怒る」と「起こる」という二つがあります。

そのため、「怒った」といいたいときに「起こった」と変換されてしまうこともあります。これ、変換ボタンを何回か押して、どっちが確かめなければいけないので、ものすごく時間のロスです。

こっちは極端「画面をまったく見ないで打ち込んでも成立する」レベルにしたいのです。

よって「怒る」は「いかる」として必ず打ち込むことにしています。
逆に「起こる」は「おこる」として打ち込むことで差別化を行っています。

これでまず「怒る」「起こる」問題は解決しました。

◆ 時間こそ重要では。

他にもややこしいのが「字」と「時」

たとえば「6時」など書きたいときに「6字」と出ると、ものすごく「あああっ!」となります。

「字」! おいお前!
お前、我々が文字数なんてそんなに気にすると思うか!
「時間」という悠久たる概念に比べて、どれだけ自分が小さいか分かってんのか!

さらにお前、「文字(もじ)」という表現もあるよな!?
「6もじ」とかでだけ変換で出ればいいだろ! 「文」という保護者がいないときにまで出てくんじゃないよ! 迷子の子供か!

しかも「6時」とか言ったら「時間」に決まってるだろうが!
「6字」なんて表現することあると思うのか!
国語や小論文の問題だとしても「500字」とか「1000字」とかじゃないんか!

時間の表現なんて、せいぜい「0~24」までしかないんだぞ!

「1じ」とか「2じ」とか言ったら、もう時間のことに決まってるだろうが!

「登場人物の心境を2字で答えよ」みたいな問題、そうそうあると思ってんのか!

「大変」とかしか答え書けないわ!

それに「0字」とかにまで出てくんじゃないよ! それもう無言だろ無言!

………はぁ、はぁ。
ちょっと興奮のあまり取り乱して失礼いたしました。

とにかく対策として、「怒る」⇒「いかる」と同じように、「字」は「あざな」で打ち込むことにしています。

100字⇒100あざな

みたいな感じですね。
「あざな」は打ち込みが多くて面倒ですが、そもそも「字」が出てくることがレアなのでそんなに問題ではありません。

逆に字を打ち込むことが多すぎる字マニアの方は、逆に「時」を「とき」として打ち込んでみてはいかがでしょうか。

ちなみに「あざな」「とき」を両方使用して完全に差別化した場合、空白地帯となった「じ」の変換で「痔」とかも出てくるので油断大敵です。

5痔。多すぎ。一つでも大変だろうに。

◆ 日本一出てくる同音異義語。

ちなみに同音異義語で、おそらく日本で最多に登場する言葉があります。

おそらくカンのいい方なら、何か分かるはずです。
そう。

「言った」と「行った」。

これたぶん日本最多。
ものすごく面倒です。

いやホント、日本語ができた歴史の中で、こうしてパソコンで打ち込むとか、想定外だったんでしょうね。歴史的には、当然、全部手書き入力ですから。

本当に、ここまで想定して日本語作ってほしかった。

この場合、よく使われる「王道」の方は「言った」です。
小説やマンガなどで、しゃべることがどれだけ出てくるか。

そのたびに出てくる「行った」。

行った「え、オレ? 呼んだ?」

呼んでない。「字」と同じくらい呼んでない。

そんなに頻繁に行くところあるのか。外出することなんて普通、一日一回程度だろと。
すなわち一日一回しか使われないレベルだろと。一回しゃべるたびに出てくるんじゃないよと。

「行った」をすべて「おこなった」で入力すれば良いのですが、ここまで来るとさすがに面倒くさい。文字数増えすぎです。
「おこった」⇒「いかった」なら、「おこった」と文字数は変わらないのでOKですが、
「いった」⇒「おこなった」はもう長すぎ。行いたくない。

よってもうこれ、ユーザーサイドで対策できる範囲を超えていると思うのです。
これを変えるには、言葉そのものを変えるしかない。

そのためには、僕たち一人一人が、別の言い方をするしかない。
日本人全体が別の言葉を使い始めれば、もうそれこそが新しい「日本語」なので、辞書はもちろん、変換システムにも登録されると思います。

提唱したいのは「行った」を「ゴった」と読むこと。

ゴった!
カッコいい!

カッコいいか分かりませんが勢いだけは伝わります。
英語の「GO」から考えましたが、「行(こう)」とも読むので遠くはないかなと。

とにかく「行った」は「ゴった」と言うことにしましょう。

動詞の活用として

ゴかない(未然)
ゴきます(連用)
ゴく(終止)
ゴくとき(連体)
ゴけば(仮定)
ゴけ(命令)

などもありますが、たぶんそこまでやると面倒ですし、「行った」以外は同音異義語でもないので、変えるのは「ゴった」だけで良いと思います。

「いく」が過去形になった瞬間だけ「ゴった」。

日本語を学習しようとしている外国人が知ったら「ホワイ、ジャパニーズピープル!」とか怒り出すと思います。
ただ外国語での「行く」は

go went gone

とかいうありえない変換法則をしてるので文句は言わせません。
何がwentだと。goedでいいだろと。
「GODとややこしくて不謹慎だ」とか
「EDに向かうみたいでイヤだ」とかツッコミが入ったのでやむなく変えたのでしょうか。「ホワイ、イングリッシュピープル!」とか叫びたい。
何にせよ「行く」⇒「ゴった」の方がどれだけマシか。

何にせよ、みんなでそれを言い続ければ、「ごった」入力で「行った」が出るようになると思います。その日まで頑張りましょう。

一点心配として、「ごった煮」という言葉を打ち込みたいときに「行った煮」になってややこしいですが、そもそも「ごった煮」と打つことはレアなので目をつぶっていただければ幸いです。

もちろん「ウチは困るよ! ウチは『ごった煮専門店』なんだから!」という経営者の方もいるかもしれません。
ただ日本人口におけるごった煮専門店の数(たぶん全国で多くて10店舗)を考えると、人口比率的に涙を呑んでいただければ幸いです。

というわけで変換で悩まれてる方、ぜひ参考になれば幸いです。

どうでもいい主張をしつつ、そろそろ仕事にゴってきます。

(完)

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ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。