セクハラは病気!?~マンガで分かる心療内科in秋葉原
秋葉原心療内科ゆうメンタルクリニックコラム
セクハラは病気!?
さて「セクハラ」の話は、定期的にニュースになります。
この有名人がこう言った、この芸能人がこんなことを言ったなどなど…。
もちろんニュースだけでなく、誰にとっても身近に起こりえる話題でしょう。
実際、セクハラは「男性⇒女性」だけでなく、「女性⇒男性」という場合もありますし、また同性同士でも起こることです。
特に
「あなたは今まで、一度もセクハラをしなかったという自信がありますか?」
「誰にとっても性的にイヤに感じることをしませんでしたか?」
と聞いたら、
「はい! 一度も! 絶対にセクハラと取られる行為はしていません!」
と断言できる人は、かなりレアだと思います。
いたとしたら、絶対そういう人の方が、してる危険が高そうです。
もちろん、激しく意図的なセクハラもあるかもしれませんが、それこそ
「そんなつもりはなかった」
「意図してたわけではなかった」
という事例も多くを占めるのではないでしょうか。
さて、何にせよこのセクハラ。
いったい、なぜ起こるのでしょうか?
実は心理学では、その答えは明確に出ています。
アメリカのサウス・ダコタ大学の心理学者ウィリアム・ウュウェインルの調査によると、
「人の心が読めない人間ほどセクハラをしやすい」
のだそうです。
これ、結構衝撃的な話だと思うのですが、いかがでしょうか。
◆ セクハラを防ぐ方法。
実際、世の中でセクハラのニュースや話が出るたびに、
「えっ!? セクハラがあったの!? ひどい!」
「セクハラした人間はダメだ! 許せない!」
くらいで終わってしまいます。
じゃあ、再発を防ぐには、どうしたらいいのか。
すべての人が、どんなことに気をつけていけばいいのか。
そんな話にはほとんどなりません。
その「答え」であり「解決法」こそが、この話なのではないかなと考えるのです。
セクハラをする人は、「人の心が読めない」。
これは本当に単刀直入に真実をついています。
そもそも「人の心が読めない」から、その発言によって相手がどう感じているか分からず、セクハラ的な発言をしてしまう。
また相手がネガティブに感じていても、それが「読めない」から、さらにセクハラになる発言を繰り返してしまう…というわけです。
もちろん人間心理はオール・オア・ナッシングではないので、
「心を読めない度合いが強い」人ほど、セクハラと言われる機会も増えるというわけです。
さてこれ、そうなると、結構難しい問題になってきます。
精神医学的には、「人の心を読めるかどうか」というのには、実はかなり生まれつきの問題もあります。
いわゆる「発達障害」と言われる方は、人の表情や心情を読むのを苦手とされます。
そのため、それこそ「相手も楽しんでいる」と思って発言してしまう可能性もあります。
これは男女問わず生じます。
であれば、どうすれば改善するのか。
「心を読めるようになれ!」
というのがシンプルな解決策になりますが、もちろんそれ、一朝一夕ではいきません。
特に「人の心が読めない」という場合、そもそもセクハラがニュースや話題になっても
「自分自身の行為がセクハラになっている」
とは思いもしないわけですから、
「自分は無関係」
と考えて、行動に活かしたりすることはありません。
◆ 概念よりも、行動で。
強いて心理学的に対策を考えるなら、とにかく「行動へのフィードバック」を与えることです。
「人の心を読めるようになれ!」とか
「相手がイヤがることをするな!」とか、増してや
「セクハラをやめよう!」
という「理解しづらいアバウトな言い方」ではなく、たとえば相手の発言にたいして
「その言い方はイヤなので、やめてもらえますか?」
など明確に発言・行動を注意することです。
もちろん直接言いづらいなら、注意できる立場の人に相談してもいいかもしれません。
(重ねて男女ともに起こし得る問題なので、誰でも注意しておきましょう)
また「言いづらい」という方は、相手の発言をそのまま繰り返すのも手。
「恋人いるの?」なら、
「『恋人いるの?』ですか…」
など言えば、鏡のように自分の発言を繰り返されることで、ちょっと意識させる働きもあります。覚えておきましょう。
何にせよ重要なのは、
「セクハラをするのはダメだ!」
で終わらせてしまうのではなく、
「それは生まれつきのものが関わる可能性もある」
ということを知っておくことです。
もちろんこれは、あらゆる「ハラスメント」についても言える可能性があるので、覚えておくといいかもしれません。
○ 今回のまとめ
○ セクハラは「心が読めない」ことで起こる。
○ よって大切なのは「行動」そのもので注意すること。
というわけで、いかがでしたでしょうか。
ちなみに自分自身、この知識を知って
「そうか、心が読めないというのは、あまり良くないことなんだな」
と思い、それから人の心を見抜く系の知識をたくさん学びました。
そしてとにかく相手を観察し、ある程度、感じていることを読めるようになりました。
あるとき、話していた人がモジモジしていたので、こう言いました。
「もしかして、トイレ行きたいですか?」
結果的に正解でしたが、微妙な空気になりました。
読み過ぎるのもそれはそれで問題だと感じつつ、ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)
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ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。