心療内科が送る「ニューダンガンロンパV3」「アニメ・ダンガンロンパ3」の感想【ネタバレ】秋葉原心療内科・ゆうメンタルクリニック秘密コラム

秋葉原心療内科・ゆうメンタルクリニック秘密コラム

心療内科が送る「ニューダンガンロンパV3」の感想【ネタバレ】
 

 

ニューダンガンロンパV3というゲームをプレイしました。


何とかクリアしました。

感想を書きます。

ものすごくネタバレになっております。
展開どころか犯人やラストまで書いてますので、
A「プレイ途中の方」
B「まだプレイしてないけど、いつかやってみたい方」
は読まない方がいいと思います。

逆に
C「クリアしちゃった方」
D「今後絶対プレイしない自信がある方」
E「何か適当に検索して来ただけのヒマでしょうがない方」
は続きをお読みください。

さて
D「今後絶対プレイしない自信がある方」
という方、特に「ダンガンロンパって何?」という方のために説明しますと、ダンガンロンパとは、「アクション推理ゲーム」です。

いわゆる「逆転裁判」にアクション要素がくわわったゲームだとお考えください。

このダンガンロンパシリーズですが、学生時代、マンガ部の先輩に、
「ダンガンロンパはプレイしておけ。PSPを購入してまでやる価値がある」
と言われたのが最初の思い出です。

マンガ部なのにゲームの話しかしてない時点で色々とおかしいのですが、とにかくそれが最初の思い出です。

そして、その先輩の熱いススメを全力で無視して、はじめてプレイしたのは、それから何年も経ってからです。

購入したのは、1・2がセットになったReloadedというシリーズでした。

まとめてプレイしました。
非常に面白かったです。
「あぁ、先輩の言うコトを、もっと早く聞いておけば良かった」
と一瞬思いました。一瞬だけでしたけれども。

さてそんな風に、1・2が非常に面白かったので、今回、3を購入しました。

マンガで分かる心療内科では『ゲーム依存』の危険について話しているのに矛盾ではないか」

というツッコミが入ることは重々承知しておりますが、そもそもこのゲームは「シナリオゲーム」のため、クリアさえすれば、以降、無限にやることはありません。
そのためプレイ時間も限定されており、ある意味「体験型小説」と考えると、それこそスマホゲームなどのように「無限にハマりつづける」ということはないかと思います。そのためこのゲームをプレイすることでゲーム依存となるリスクは最小であるため…うん言い訳して本当にごめんなさい。

 

まぁ、何にせよ、とにかく3をプレイしたわけです。
前置きが長くなりましたが、以下がネタバレの感想となります。

 

重ねて全部、ラストまで書いてますので、ご了承の方のみお読みください。

 

 

◆ 1章

「3作目となれば、やっぱり驚きがあるくらいじゃないと、ダンガンロンパじゃないよなぁ…。
たとえば主役が殺人の被害者になったり、主役が犯人だったり…」

と思っていたら、まさかの正解でビックリしました。
予想していても、まさか、と。
「見事だ、見事すぎる…」と思いました。

でも三作目にして女の子キャラが主人公だと思ったら、あっという間に死んでしまって切なかったです。

◆ 2章

クールなメイドさんが犯人でした。
すごく好みのキャラだったのですが、「いかにも冷静な殺人者として違和感ないタイプ」だったので、意外性がなくちょび残念でした。
「まぁ1章が意外過ぎたので、プラマイ0くらいか」
と思いました。
でも罰ゲームのときの、「必死に生き残りたい!」という形相は鬼気迫るものがあり素晴らしかったです。

◆ 3章

美形の変態が犯人でした。
殺人の舞台となる儀式があり、その主催をしていた人物だったので、
「これまさか、この人は犯人だったらそのまま過ぎるよなー…。そんなわけないだろうなー…」
と思ってたところ実際に犯人だったので、逆の意味で「まさか、そんな!?」でした。
驚いたので、そういう意味ではどんでん返しでした。

ちなみにダンガンロンパシリーズわたって一番好きな犯人は、2の保健委員さんです。
あまりにソフトで穏やかなキャラだった彼女の豹変具合が素晴らしくインパクトがありすぎました。

◆ 4章

でかい、いい人が犯人でした。
しかしながら、小さな人に操られてて、「何て言うか、かわいそう」という感想しか湧きませんでした。

ちなみにここで、入間美兎という下ネタしか話さないキャラが殺されました。
この下ネタがまた激しすぎるネタで、ただただダイレクトに性に関する的な言葉を話しまくるというキャラでした。なぜここまで突っ込むのか不明でした。1・2も性的な内容はチョコチョコあったのですが、今回に関しては、シナリオを書かれた方が私生活で何かあったのか、と心配になるほど無意味なほどの下ネタの連発でした。「マンガで分かる心療内科には下ネタがある」という感想を時にいただきますが、下ネタというのはこういうのだ、と言いたい。自分はこれに比べたらどれだけソフトか。
何にせよ声優のはるきゃんさんが頑張りすぎだと思いました。

あとこのキャラが死んだあとは、なぜか「今まで一切下ネタを言わなかったおとなしめキャラ」が、突然に下ネタ担当になります。同じくらいに下ネタを連発します。
この時点で「あぁこれは入間さんのキャラづけではなく、ただ単にシナリオライターさんがエンドレスで下ネタ言いたかっただけなんじゃないか」と思いました。

さて、それはそうと、とにかくそのキャラはここで殺されました。「返り討ち」でした。
個人的には、キャラ的に1章2章あたりで死ぬのかと思っていましたが、「意外に長持ちしてるなー、これは最後まで生き残るのかなー」と思ったところの死だったので、ある意味、意外でした。
しかしながら、なぜ彼女は他の人を殺そうとしてまでこの世界から脱しなければいけないのか不明でした。唐突というか。
「発明を世界に知らしめたい」的な説明をしていましたが、そもそもそこまで大それた欲求を持つ人物なのでしょうか。仲間内ですら、少し言われただけで弱気になってしまうのに、と。

まぁ、そのあたりはいいんですけども。

くわえてこのあたりで、「好みの女の子キャラ」が不在になりました。個人的に、メイドさんと、この入間さんはアリで、あと3章で殺された茶柱さんは結構好みだったのですが、みんながいなくなったため、仲良くなるイベントで途方に暮れました。「いや、誰とも仲良くしなくていい」みたいな。数あわせで誘われた合コンで一人ポツンとしてるような気持ちになりました。
しかたなく、残ってる中で一番美人な春川さんと親しくなりました。ごほうびスキルがメダル倍増というスゴイもので、スキルのために最初に親しくなっていれば良かったと思いました。
ちなみに入間さんとは一番に最後まで親しくなりましたが、もらったスキルが「ミニゲームが1割くらい有利になる」レベルの、世界一いらないものでした。このあたりのアンバランスさは何とかしてほしい。
ちなみにスキルで言うと、「妄想」という、集中すると発言力が回復するスキルが一番使えると思いました。でも現実では妄想すればするほど発言力は減ると思いました。

◆ 5章

面白かったです。
小さな人が、自分の死を犠牲にしてトリックを作っていました。

非常に面白いトリックではあったのですが、
「1章では主人公が犯人だったから、ここらへんで、残ったキャラ全員が犯人だったというオチなのでは? ワクワク」
と思ってたのですが、それが外れて残念でした。この期待はラストまで持っていたのですが、叶いませんでした。叶わないどころか大きく「えええ」という展開になりました。

◆ 6章

ここからが問題です。

まず1章の、主人公による殺人は「間違い」だったと判明します。実は殺してませんでした。
これってどうなんだろう。1章の時点で「すごい!」と思っていたので、「良かったね」以前に「えっ…。いいの…?」と思いました。

そして真犯人こと首謀者が、「それまでまったく存在感がないメガネ女の子」でした。
「あまりに存在感がない上に、何でこの人、生き残ってるんだろう、予想外」と思ってたので「もし真犯人が中にいるのなら、この人くらいじゃないと、存在意義なさすぎるなぁ」と思ってたら正解だったので良かったです。

とはいえ、このあたりまではとても面白く、良かったです。

しかしながらラストシーン。

「このゲーム世界はゲーム世界であって、自分たちは演じられたキャラだよ、全部フィクションだよ」

とバラされます。
バラされるというか、そういうシナリオ展開です。

そもそも登場キャラたちは、全員「超高校級の才能」を持っていることになっているのですが、実は全員ただの一般人で、「ゲーム世界を演じさせられているだけ」であり、「その才能(記憶)を新たに植え付けられているだけ」ということが判明します。
しかしながら、身体能力とかは、記憶レベルではどうにもならないような気がするのですが…。

いや、1・2から3になって、「どんどん予想を裏切らないと、どんどんビックリさせないと」と思ってしまう気持ちは分かります。
確かに予想はしませんでした。

しかしながら、いや、これ、どうなんだろう、と。

「えっ、ちょっ、これ、いいの? う、うーん…?」

と思いながらプレイしました。

ちなみにゲーム設定はずっと「イジワル(HARD)」でプレイしていたのですが、最後の理論武装ステージだけ、あまりに難しくゲーム機を投げそうになったので「フツウ(NORMAL)」にしてクリアしました。

何にせよ、とにかくゲームのラストとしていいのか悪いのか。

また「ゲーム結末はプレイヤーにゆだねる」的な感じを出しておきつつ、シナリオ通りに進まないとゲームオーバーにされます。
一言で言うと「ハッピーエンドでもバッドエンドでもなく、これはゲーム世界であり、フィクションであり、エンド関係なく放棄して終わる」と判明させるエンディングです。

これはまぁ、賛否というか、色々な考え方があると思いますし、良い・悪いとかはないんだろうと思います。

ただ、です。

ゲームをプレイしたあと、「残る感情は、まったくありません」でした。
爽快感とか、いい思い出とか、そういう感情が「まったくない」のです。
たぶんそれが答えなんだと思います。

 

とはいえ、途中までは非常に面白いゲームでした。

毎回「次は誰が死ぬのだろう…? うわっ! この人が殺された!? 犯人は誰なんだろう…? わわわ、この人だったなんて…!」というドキドキ感があり、それは本当に引き込まれる内容でした。

「ラストで台無し」とまでは言わないのですが、「なるほど、それがシナリオを書かれた方が最後に表現してみたいものだったのですね、自分はよく分かりませんでしたが、でも途中までは面白かったです。ありがとうございました」

という感想です。

色々と語りましたが、総合的に見たら、いや、面白いゲームだったと思います。
そもそも、ここまで長文で語りたくなるというのは、それだけパワーがあるゲームなんだろうなぁ、と痛感します。
「最後に残る感情がなかった」と言いましたが、そもそもこうして書きたくなるということは、それだけ熱い何かが残ったのかも、と思うこともできます。

制作されたみなさま、本当にありがとうございました。

そして読んでくださったあなたも、本当にありがとうございました。

ダンガンロンパ3というアニメが激しかった。

追伸です。

ゲーム「ダンガンロンパV3」をプレイしてから、もう何年も経ちました。そして最近、「ダンガンロンパ3」というアニメがあることを知りました。


このダンガンロンパのアニメ、不思議なことに「1」と「3」しかありません。
「2」は、ゲームでしか存在しない世界です。
じゃあ「3」は、ゲーム「V3」の内容がアニメになったのかというと、それはそれで違うという、ややこしい状況です。
「ダンガンロンパ1」については、ゲームとアニメで同じ内容ですが、ダンガンロンパ3のアニメについては、このゲームの「V3」とは「まったく別」の内容だそうです。

さらに何と「未来編」と「絶望編」の2種類がほぼ同時に出て、それぞれ12本(1本につき23分)という大長編! 総計で約8時間!
スゴイです!

「えっ! 激しく楽しみ! どんなのだろうワクワク! せめてV3の後味を払拭する作品であれば!」

と思って見ました。

………。結論を述べます。

「ゲーム『ダンガンロンパV3』がどれだけ素晴らしい作品だったか」というのが分かる作品でした。ごめんなさい。もう見たいなんて言いません。8時間かけてそれを悟った。

一言で言うと、
未来編「なんか人狼ゲームっぽい、推理要素のあまりない、次から次へと死んでいく殺戮ゲーム」
絶望編「ダンガンロンパ2の後日談っぽい日常ストーリー」
でした。

少なくともダンガンロンパというのは、自分にとって「閉鎖空間における、短編推理ゲーム」こそが本質で、ここではその新シリーズが描かれるものだと思っていたのですが…。
何と言うか、ものすごく好きなファンに向けたサービスストーリーのような…。そんな感じでした。
ゲームの「V3」は、ちゃんとその推理ゲームの体裁を取っていただけでもう名作だと評価するべきでした。あなたはスゴかった。

そういえば昔「バトル・ロワイアル」という小説がありました。
学生たちが、同じクラスで殺し合いを行う小説で、マンガや映画にもあり、それぞれ非常に面白かった記憶があります。

しかしその後、完全に「続編」として、映画のみで作られた「バトル・ロワイアル2」というものがありました。
これはもう、気絶するくらいにアレな作品でした。
学生たちが殺し合いをするまでは一応同じですが、今度はなぜか「ペア」になる戦い。そのため、片方が死ぬと、もう片方も強制的に死んでしまいます。すなわち二人セットで死に、大雑把にドラマが進行していきます。
しかも途中から「戦争はいけない」「大人たちは間違ってる」的な主張が始まり、殺し合いがナァナァになって終わるという(客にたいしての)殺人的ストーリー。
明らかに方向性が違うことに驚きと絶望を隠せませんでした。こういう内容なら、最初に書いておいてほしい。「2」とかじゃなくて、
「バトル・ロワイアルこぼれ話~戦争、やっちゃダメ」とかのタイトルにしておいてほしい。そうしたら絶対に見に行かなかったのに。

何だか今回のダンガンロンパ3のアニメで、そのときの記憶を思い出しました。
やはりギュッと凝縮された短編推理ゲームを作り続けるというのは大変なことなのでしょうか。

そんな気持ちになりつつも、とはいえ全体的にとても面白い作品シリーズだと思います。制作者のみなさま、本当にありがとうございました。

(完)

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