秋葉原に心療内科は不要、と断言したメイドさん。

「秋葉原に心療内科は不要、と断言したメイドさん。」

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写真と本文はそんなに関係ありません。

◆ 秋葉原と心療内科について。

あなたは秋葉原というと、何を思い出しますでしょうか。

おそらく大半の方が「萌え」「アニメ」「メイドカフェ」などを思い浮かべると思います。古くは「電気街」のイメージでしたが、おそらく現在は、かなり萌え方向にイメージが移ってきているのではないでしょうか。

しかしどちらにしても「心療内科」というイメージを抱く方はほぼ皆無かと思います。

実際、ゆうメンタルクリニック秋葉原院を開く前に、ある女性にこう言われたことがあります。

女性「秋葉原でメンタルクリニックを開いても、そんなに患者さんが来ないんじゃないでしょうか?」

自分「えっ? どうしてですか?」

女性「だって、秋葉原に来る人は、みんな悩みなんて抱えてなさそうだから」

何、その断言。

そう思いつつも「確かに…!」と思わせるような雰囲気がありました。

実際、秋葉原を歩いていると、みんな、すごく晴れやかな顔をしています。

自分自身、街中でしばらく人を観察してみました。

一人の男性は、すごく明るい顔で、メイドカフェのあるビルに入っていきました。

別の男性は、真剣な表情のまま、ゲーム販売店(同人ソフト専門)に入っていきました。

確かに。

みんな、悩み、なさそう。

であれば、秋葉原に心療内科があっても、そんなに来る人はいないんじゃないだろうか。
先ほどのセリフが、どんどん信憑性を帯びてきます。

◆ メイドカフェでの会話。

そう思いつつ、あるメイドカフェに入ってみました。

たくさんのお客さん、いえご主人さまが、いました。

前から疑問だったのですが、メイドカフェに来た客は必ず「ご主人さま」と言われるわけで、そしてたぶんそれが少し喜びだと思うわけですが。

そのメイドさんは、別のお客さんも、等しく「ご主人さま」と呼ぶことにたいして、何の違和感もないのでしょうか。

「あのメイドの主人は自分のはず!? あっちも主人なのか!?」

と思うことで、イメージが壊れたりしないのでしょうか。
声優さんに恋人がいるだけで憤慨する男性も、目の前にて行われている主人浮気現象は見て見ぬふりをするのでしょうか。

「武士は二君に仕えず」と言いますが、メイドさんに関してはその格言は当てはまらないのでしょうか。「メイドさんは二君に仕えてもいい」みたいな。

話が思い切りそれました。

何にせよメイドさんが仕えに来てくださったので、話の流れで、聞いてみました。

自分「秋葉原に、心療内科って必要あると思いますか?」

するとメイドさんは、にこやかに言いました。

メイド「不要だと思います」

即答。

切なさに浸っていると、彼女は続けました。

メイド「心療内科カフェは、ちょっとマニアックすぎじゃないかと」

いや、コンセプトカフェの話じゃなくて。
心からツッコミたく思っていると、別のメイドさんが来ました。

◆ 新たなご意見。

メイド「何? 何の話?」

彼女にも同じ内容について話したところ、こう答えてくれました。

メイド「あまり大きな声で言えないですけど、秋葉原にも、心療内科は必要だと思います。」

自分「えっ」

彼女は言葉を続けました。

メイド「だって来てるご主人さま、みんな、ものすごく話が長いから」

話の長さと心療内科は関係するのだろうか。

心からそんな気持ちに捕らわれました。

しかし確かに、周囲を見ていると、メイドさんと長話をしているご主人さまがたくさんいました。

メイド「みんな、すごく話したがりなの」

確かに。

人間、話ができるだけで、気持ちが安らぐ部分があります。

また普段から、話す相手が少なかったり、話すチャンスが少ない人ほど、気持ちを出したくてたまらなくなるものです。

たぶんここは、ある意味すでに、心療内科やカウンセリングルームと同じ役割を果たしているのかもしれない。

そんな風に思いました。

秋葉原だから悩んでいる人はいない、というのは間違いではないか。
当たり前かもしれない事実に、やっと気づいたのです。

それもあり、実際、2014年に、ゆうメンタルクリニック秋葉原院を開院しました。

その結果、非常に多くの患者さんに来ていただきました。

また実際、秋葉原を「乗り換え」や「通り道」として利用されている方もたくさんいらしたので、秋葉原の周辺を歩いている人だけを見て判断するのも、正しいとは言えなかったのですが。

ただ何にせよ、到達した事実があります。

表面ではイキイキとしていても、悩みがまるでないわけではない。

どんなに明るく見えても、内面まで明るいわけではない。

そんな真実をメイドさんに教わりつつ、自分自身、秋葉原院とメイドカフェを往復する毎日です。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)